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水滸伝(三)(北方 謙三)

宋の国を裏で支える「諜報機関+暗殺実行部隊」の青蓮寺という組織がある。
この組織は国を保つために表には出てこないで、裏で様々な活動をしている。梁山泊も、この組織との情報戦が始まりつつあるのが三巻だ。

そもそもの問題は、役人が腐り、軍人が腐っていったところに問題はある。さらにその原因は皇帝が無能で、贅沢をし、政治に全く関心を持たないことにある。
そういったシステムでも、なんとか機能させようと裏の組織が動き出す。
また、別の流れでは、政府を打ち倒そうという流れも生まれる。

この2つのぶつかり合いがどうなるのかは、今後の展開によるのだけど、ここで考えさせられるのは、「正統性」という問題。

裏の組織が、実はいろんな問題を解決し、なんとか国のシステムを保つ役割をしている。という状況は、果たして、善いのだろうか?と考えてしまう。小説では“悪役”として描かれているので、読者はどうしても無批判に、裏の組織は消えればよいのに。と考えてしまうと思うが、単純にはそうは言えないこともある。

裏の組織のメンバーは、個人の利益などは、あまり考えず、国家のシステムを保つために、あえて悪役にもなり、汚い仕事もしているように見える。
しかし、やはり表に出てこないで、正統に権力を持つことが許可されてないものは、責任も取らない立場にいるため、長期的には、その存在そのものが国家を腐らせることになる。自分自身は、国家に必要だと思って動いていても、逆に、存在そのものが腐らせる原因になるからだ。

時に、こういった裏の組織を好む人間がいる。タイプとしては、楽な裏道を探したりや自分だけを特別視するようなタイプに多い。このタイプと正反対の人間の資質をあげるとすれば、それは“誠実さ”ということになる。

“誠実さ”は“正統性”に近い意味を持っていると思う。
自分が今、歩いている道や、今後歩こうとしている道が、正統なものであるか?それとも嘘や裏道的なものが混ざっていないかどうか?ということは常にチェックするとよいと思う。

人間には嗅覚がある。お金によく嗅覚が効く人間は、営業として向いていると思うし、新しい技術に嗅覚が働く人間は技術者に向いている。そして、人の上に立つ人間は、“誠実さ”とか“正統性”というものに対する嗅覚を持っていたいものだと思う。僕もいくらかの失敗を通して、それを強く感じている。

水滸伝〈3〉輪舞の章 (集英社文庫) (集英社文庫)
北方 謙三
集英社
2006-12-15

by [Z]ZAPAnetサーチ2.0

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2008年04月16日 00:46に投稿されたエントリーのページです。

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